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© Hikita Chisato

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東京に住む男性の李章剣さんと女性の孫蓮楽さんは、夫婦。祖国の中国では夫婦別姓が一般的なため、名字が異なります。江西省にある小さな村で育った李さんと、西安の街で育った孫さん。留学先の日本で知り合った2人が、お互いの実家を訪れたのは結婚を決めてからです。勉強や仕事のため、故郷を離れた人同士が結婚をする際、両家の親戚を一同に集めて結婚式を挙げるのは、広い中国ではなかなか難しいこと。「お互いの両親をいつか会わせたいね」と李さんは言います。

この日は、皮から手作りする餃子や肉まんから料理が始まります。丸いまな板の上でリズミカルに生地を延ばす孫さん。日本で生まれ育った2人の子どもも、餃子が好きです。どんな野菜を入れても、好き嫌いを言わずに食べるので、週に何度も作ります。ニラと卵にシラスを加えたあっさりした焼き餃子は、孫さんのオリジナル。留学生時代に知り合った日本人の友人達にも評判です。

肉まんは、日本でよく見掛ける蒸したものとは異なり、蒸し焼きに。フライパンでこんがり焼き目をつけて、お皿に並べます。野菜炒めは、鮮やかな緑色が印象的。最初に油でニンニクを炒めて香りを出し、さっと野菜を加えたら、味付けは塩コショウだけ。日本の醤油もよく使いますが、色味を大切にしたい時には控えるそうです。食後は、李さんが中国出張の際に買ってきた「瓜子」をお茶と一緒にポリポリ。塩煎りしたカボチャやスイカの種は、定番のお茶請けです。 固い殻を前歯でかじり、うまく剥けるようになったら、「中国で一目置かれるようになるよ」とのことです。

(初出:共同通信社から全国の新聞に配信「異邦人キッチン」)