© Hikita Chisato

2025年8月のお知らせ

2025.10.05

①『Why chopsticks』in 松本 栞日 & 世田谷 common house

8月30日から、お箸をテーマにした写真展『Why chopsticks』をスタートします! 夏の恒例となった、長野県松本市にある本屋さん栞日、今年東京都世田谷区にOPENした、本と珈琲と畳のあるお店common houseを巡回します。

2016年からライフワークとして撮り続けている「おはし」「おはしのある風景」。いまだに自分でも「どうしておはしを撮るのか」を考えています。当初は軽い気持ちで選んだテーマですが、学生時代から興味を持っていた「アジア」に深く関係することだと気付いてからは、長く取り組みたいプロジェクトとなりました。2024年には『Why chopsticks』と名付けたphoto zine(手製本の写真集)を小部数で製作。東アジア、日本、欧米で撮り続けてきた「おはし」の写真を一冊にまとめました。今回こちらを増刷し、栞日会場で再販いたします。また、これまで行なってきたプロジェクトの過程や自身の思考をまとめ、言語化をする必要も感じております。そちらは会期後半までに冊子にまとめ、common houseでの展示中に販売スタートしたいと考えています。現在「おはし」は東アジアだけでなく、アジアの人々が移動した先、移民として暮らす街でも見つけることができます。欧米はもちろん、南アジアや中東、アフリカ、南米にも「おはし」は存在するのではないか? そんな仮説を立て、今後も取材を続けるつもりです。

それぞれのお店からコメントをいただきました。

-栞日-
この夏も、疋田千里さんを松本にお迎えします。〈栞日〉開業の翌年、2014年からほぼ毎年の夏ごとに、写真展や何らかの企画で、ご一緒して参りました。もはや、夏になると東京から松本に帰省してくる親戚のような存在です。そんな疋田さんが「おはしのある風景」をライフワークとして撮り始め、〈栞日〉での展示タイトルにも「おはし」の文字が含まれるようになったのは、2017年のこと。なぜ、おはし? 最初は、わかりませんでした。いや、いまも明快にはわかっていません。ただ、写真家がファインダー越しに捉えようと試み続ける対象は、箸であって、それだけではないことは、おぼろげながらわかってきました。夏ごとに、幾つもの「おはしのある風景」を眺め続ける、そのなかで。箸を持つ手、箸が挟む料理、箸の置かれた卓を囲む人々、箸で食す作法と慣習、そして、国や文化圏の違いを超えて、箸が風景のなかにあることで生まれる、そこはかとなくゆるやかな連帯感。この夏も「おはしのある風景」に触れながら、箸と、その先に広がる何か、そこに写り込んではいないけれど、疋田さんが写し出そうとした何かに、想いを馳せたいと思います。

[会期] 2025.8.30(Sat.) – 9.15(Mon.)
[場所] 栞日 sioribi
[住所] 長野県松本市深志3-7-8
[営業時間] 7:00 – 20:00
[定休日] 水曜日

-common house-
日本で暮らしていたり、日本の食文化に馴染みがある多くの人にとって身近な「おはし」。フォトグラファーの疋田千里さんはそんなおはしにフォーカスし、日本、韓国、台湾、香港、ベトナムなどの各地域で「おはしのある風景」を撮り続けてきました。
おはしがある場所には食事があり、人々の日常や暮らしがあり、命がある。毎日の食事から誰かと食卓を囲む特別な時間、そして十分な食料もないような戦時下や虐殺が行われている中でも、人がいて命がある限り、食べるという営みは続いていく。地域や習慣によって使うものは違っても、「おはしのある風景」はいろんな場所に広がっています。
世界中にさまざま人がいること、慣習や文化、歴史。「おはし」というものが自身のルーツやアイデンティティに繋がる人たちがいること。旅先で「おはし」にほっとすること。世界のことから個人のストーリーまで、疋田さんが記録する「おはしのある風景」は、私たちの暮らす社会について考えるきっかけや問いを投げかけてくれます。
当店があるのは、駅から離れたのどかな住宅街の一角。たくさんの窓の向こう側でそれぞれの暮らしが広がっているのだろうと想像します。知らないことを想像しようとしたり、見えないものにも想いを馳せることは、きっとやさしい世界をつくることにもつながっているような気がします。疋田さんと同じ目線に立ち「おはしのある風景」を見てみることで、世界のことを想像し、考えてみる時間をつくれたらと思います。

[会期] 2025.9.20(Sat.) – 10.10(Fri.)
[場所] common house
[住所] 東京都世田谷区給田5-2-6-101
[営業時間] 11:00 – 20:00
[定休日] 木曜日+隔週水曜(10.1)

②CEBU ART BOOK FAIR 出展

フィリピン・セブ島で開催されるCEBU ART BOOK FAIRに参加します!フィリピンは、一度トランジットでマニラに短時間滞在したことしかなく、セブ島を訪れるのははじめてです。日本からのフェア参加者はわたしだけでしたが、昨年インドネシアで知り合ったアーティストが参加。台湾、韓国からの参加者もいるようなのでとても楽しみです。フィリピンの歴史や食文化についても学び、今後の展示にも活かしたいと考えています。
CABF 4
September 5 | Pre-Fair & Poster Show
September 6-7 | CABF 2025
Venue
University of the Philippines – Cebu
Performing Arts Hall (library building)