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© Hikita Chisato

中国のおはしを観察に⑤

深圳と言えば中国の秋葉原、あるいはシリコンバレーなどと呼ばれることが多いけれど、わたしが滞在したのはそんな深圳の中心部からは少し離れた、郊外にある深圳北駅の近く。そこから福建省へ向かう広深港高速鉄道を利用するためだ。

朝は少し余裕があったので、また近所をブラブラと歩いてみた。おはしのある風景を追い求めてはいるけれど、たまにはパンも食べたくなる。店内にイートインコーナーらしき椅子のあるお店に入り、中国のパンを試してみた。パン好きならばあちこち食べ比べてレベルを測れるのだろうけれど、大してパンを食べないわたしは、まずまずかな、という感想で終わる。どのお店の人とも言葉でのコミュニケーションは取れないけれど、電子マネーがあれば交渉なしに取引できる。20年くらい前だったら、旅先ではどうにかボラれないように必死だった。(疑心暗鬼がひどかった。)そんな時代が少し懐かしい。

ホテルから深圳北駅までタクシーを頼むと、送迎バスがあるからと送ると言ってくれた。英語が話せるスタッフは限られている。わたしが従業員に何か話しかけると、内線やスマホアプリを駆使しそのスタッフを呼び出してくれたりする。でもそのスタッフもわたしも流暢な英語ではないから、時間には余裕を持って動くのが吉。

送迎バスの運転手にチップを渡した方が良いのかな?と思っていたけれど、すごくびっくり遠慮して受け取ってくれなかった。やっぱり、チップの習慣のない国で育っている身としては、チップなんて要らないですよ!と言ってくれる人がありがたい。でも、チップの国で育っていれば、遠慮などさせる間もなくスマートに渡すのかもね。余談だけれど、賄賂を渡すのにも慣れないと、海外ではスムーズに暮らせないかもしれませんね。

高速鉄道の駅構内にはたくさんの搭乗口があって、ホームに続くその入り口は出発時刻の直前にならないと開かないことになっていた。構内にあるお土産屋さんやコンビニを観察し、まだまだ時間があったのでマクドナルドにも行ってみた。その国のマクドナルドを試すのは、旅のたのしみの一つ。ここでも電子マネーを使えば、液晶タッチパネルで注文ができる様子。電子マネーの支払いにまだ慣れていなくて、自分のバーコードを読み取ってもらう形なのか、お店のQRコードをこちらが読み取り支払う形かわからず少し手間取った。けれど最終的には食べたかったセットを頼む。カウンターで注文するとなると、焦って一番シンプルなセットを指差して終わることになるので、機械と向かい合いじっくり注文するのも悪くない。(機械がいくつかあって、後ろに大勢並んでいない場合。)

その後、果物屋さんにも立ち寄ってみた。そこではじめて現金を使おうとしてみたら、非常に戸惑った様子だった。街中で現金を目にし、中国は絶対電子マネーじゃないと!という話は噂だったか。とホッとしていたのだけれど、場所によってやっぱり嫌がられることもあるようだ。場所なのか人なのかはまだわからないけれど、ちょっとは困った状況にならないと旅も味気ないので、醍醐味を感じた瞬間だった。さらに、一度目は嫌な顔をされたけれど、追加で買い物をした際は顔を覚えていてくれて、ぴったりお釣りのないお金で払ったら、まるで「good job!」と言っているような笑顔を向けてくれたのだった。(2019.02.09の日記)