2018.05.04

キャンピングカーに備え付けられたキッチンを使い、野菜を手早く刻む弓場スゼットさんは、フィリピンのマニラ出身。夫の武志さん、娘の優香ちゃんと一緒に、休日はよくキャンプ場で過ごします。休日前夜には目的地近くまで向かい、翌日は近くのスーパーで食材を買い込みます。今日の献立は牛肉と野菜のスープに揚げ春巻き。スープは、フィリピン産スープの素を使って作ります。パッケージに書かれている文字を見せながら「バカのスープ」と笑うスゼットさん。フィリピンでは牛肉のことを「バカ」と呼ぶそうです。揚げ春巻きの皮は日本のもの。斜め半分に切り、三角形にします。そこに、みじん切りにしたニンジン、ひき肉、卵と小麦粉を混ぜたものをのせ、クルクルと巻きます。味付けはしょうゆ。「焼き魚を入れて巻いてもおいしいよ」とのこと。

スープは武志さんが担当します。優香ちゃんも、ジャガイモを洗うお手伝い。大きめに切った牛肉を鍋で炒め、乱切りにしたニンジンとジャガイモとスープを入れます。スープのベースはトマトとオニオン。煮込んだら、パプリカも加えます。味付けのポイントは、最後にレバーペーストを加えること。ピリッと辛いスープに、コクが加わります。「子どもも食べられるように、フィリピンで作るものより辛さは控えめだよ」。なるほど、さっぱりしたビーフシチューのようです。春巻きは、みんなのお皿の様子をうかがいながら、スゼットさんが次々と揚げてくれます。サクサクして、ビールにぴったり! 立ちっぱなしのスゼットさんを気遣う武志さん。慣れない日本での生活も、夫の助けによって乗り越えてきたようです。

(初出:共同通信社から全国の新聞に配信「異邦人キッチン」)