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© Hikita Chisato

写真展「箸と鉢 Hashi to Hachi」

2022.02.01

photographerの小野さやかさんの鉢とわたしの箸 @ohashi_to の写真展準備を進めています。

東アジアを中心におはしのある風景を撮影する疋田千里と、町歩きで出会う鉢植えを撮り溜める小野さやか。かつて同じスタジオで働いていた二人が、写真展を開催します。

道具として存在する箸に対し、鉢は生活必需品ではありません。箸を街で撮ろうとするならば、飲食店のある繁華街に足が向きますが、鉢を撮るならば、人が暮らす住宅街へ向かうことになります。一見、似ていないように見える二つのテーマですが、しかしそのどちらの写真からも、人の気配が感じられます。無造作に置かれたように見えるそれらを観察すると、持ち主のキャラクターが透けてくるようです。

当初、台湾の高雄で二人展を開催予定でしたが、新型コロナウィルス蔓延の影響で、開催が延期となりました。それに伴い台湾に先駆けて東京、外苑前で展覧会を開催します。身近な生活の中で身の丈な切り口から生まれる作品には、既視感があるかもしれません。しかし、旅に出ることがままならない今、その見慣れた風景にひそむ愛おしさを見直すきっかけになればと願っています。たくさんの方にお越しいただけますと幸いです。

会期中は路上園芸学会の村田あやこさんとの楽しみなトークイベントや、pandakitchen外処佳絵さんのアジアのお弁当のご用意も。小野さんとわたしが写真集を制作した際のエピソードは、編集者の高橋佐智子さん、印刷会社加藤文明社のプリンティングディレクター平井彰さんをゲストにお迎えしてお話します。

場所は外苑前にあるNine Galleryで、展示のディレクションやDMデザインは三村漢さんにお願いしています。DMやポスターもデザインしてもらいました。

会期 2022.3.1-3.6

会場 Nine Gallery
〒107-0061
東京都港区北青山 2-10-22 谷・荒井ビル1F

開館時間 10:00-19:00
イベント開催日は18:00まで 最終日は17:00まで 会期中無休

イベント情報
3月4日(金) 路上園芸学会の村田あやこさんと小野さやかのトークイベント
18:00から19:30まで 参加費1,000円
3月5日(土) 疋田千里と小野さやかの写真集制作裏話 ゲスト 編集者・高橋佐智子さん プリンティングディレクター・平井彰さん
18:00から19:30まで 参加費1,500円

土曜日はアジア料理研究家・panda kichen 外処佳絵さんのお弁当あり(予約制)

ご予約は hashitohachi@gmail.com

新型コロナウィルス感染症拡大の状況により、開催日・時間が変更となる場合がございます。
予約制ではありませんが、混雑状況によってはご入店をお待ちいただく場合がございます。
可能な限り少人数でのご来場にご協力をお願いいたします。
会場内ではマスクの着用をお願いいたします。
発熱・咳などの症状がある方や体調の優れない方はご無理をなさらずご来場をお控えください。
飲食物の持ち込みはご遠慮ください。
詳細はSNSで随時情報を更新していきます。
Instagram (#箸と鉢)をご覧ください。

コロナ、落ち着きますように。気軽に観にきてもらえますように。

疋田千里 Hikita Chisato
1977年京都府出身 東京都在住。
高校・大学は写真部に所属し、スタジオ勤務、カメラマンアシスタントを経て2003年よりフリーランスの写真家として活動。クライアントワークスは主にポートレイトや料理撮影、作品としては旅と日常の間にあるLIFEを撮り続けている。
instagram @travelingwithspices

「おはしのある風景」を追うようになって、五年になります。日本人にとっては大変馴染みのある、食事に欠かせない道具。身近にあるからこそ見過ごされがちな箸ですが、撮り続けることで見えてくる世界があるのではないかと考えました。
台湾や韓国には、街のあちこちに屋台があり、よく外食やテイクアウトをします。朝市や夜市といったマーケットでも、たくさんの「おはしのある風景」が見られます。
ベトナムにも「おはしのある風景」があるはず。そう思い、数年前に取材に行きました。ベトナムでは、箸に加えスプーンやフォークもテーブルに並んでいました。植民地支配の影響が残っているからかな、と気付いてからは、同じおはしのある国でも、文化や歴史背景の違いに着目して撮ると面白い、と思うようになりました。
最近は、香港映画を見ても、韓流ドラマを見ても、食事のシーンが気になります。華僑の人々が築いたチャイナタウンを巡れば、また違った「おはしのある風景」が撮れるだろうし、和食屋だって世界中にあります。箸をキーワードに、まだまだ撮りたい写真はたくさんあります。
新型コロナウィルスの蔓延で、海を渡る旅に出ることが難しくなりました。いつか中国の様々な地方で「おはしのある風景」を撮りたい。箸のルーツを辿りながら、アジアの国々で暮らす人々のことをもっと知りたい。今は中国語を習いながら、そのチャンスが訪れることを待ち望んでいます。

小野さやか Ono Sayaka
1978年生まれ 東京在住。
スタジオ勤務、アシスタントを経て2005年に独立。
現在フリーランスとして活動中。
instagram @onosayaka8

ここにある鉢植えの写真は、私が初めてテーマを持って取り組んだ作品です。
2019年に鉢植えのある風景の面白さに気づき、ひたむきに撮り続けてきました。
意識的に置かれている鉢植え、置いた人の無意識を感じる鉢植え。
誰かが作った風景を切り取ることに喜びがあり、撮り続ける中で、無造作に置かれた鉢植えに強く惹かれるようになりました。
鉢植えを置く人の、その人も知らない、記憶のようなものに触れている気がして、
それを見つけることが楽しく、ただそこにある鉢植えは、私にとって目の離せない特別なものになりました。

ono sayaka

hikita chisato